1,300年の都・奈良が育んだ木竹工藝師 川﨑鳳嶽先生が世に送り出した茶道具の数々を未来の世代に届けたい。
奈良出身の工藝師 川﨑鳳嶽先生の顕彰茶会を開催します。

川﨑鳳嶽先生は、法華寺の棟梁大工の子孫の家に生まれます。
川﨑家は、明治以降、建具の仕事を中心に担います。
奈良県旧公会堂や奈良ホテルの建具を整えたり、大社寺の御用を務めるなどしていたといわれています。

鳳嶽先生は、建具の仕事を行う傍ら、木竹工藝に興味を寄せ、制作に取り掛かります。
薬師寺の東塔の模型を作るため、薬師寺に通っていた際に、橋本凝胤長老の目に留まります。

以降、正倉院御物を茶道具に写した作品を作るなど、活躍します。
29歳の時、橋本凝胤老師の導きで、東京日本橋三越にて最初の個展を開催。
薬師寺東塔の模型や、橋本凝胤老師のお声がけで南都七大寺の長老の書付の茶杓箱を作ります。
推薦文は薬師寺高田好胤猊下。平櫛田中氏、SHARP創業者早川徳次氏、PIONNER創業者松本望氏、などが作品を購入されます。

それから、2016年4月に亡くなられるまで3年に1度、必ず日本橋三越で個展を続けられました。
晩年は制作活動のために静かな町を探し、橿原市今井町に新居を移します。

今回は、SHARP早川氏が購入された南都七大寺茶杓を始め、川崎鳳嶽先生の木竹工藝の作品を中心にした道具組で行います。

戦後の復興を進めた各寺院の長老が、若き工芸家を育て、世に出ます。
廃仏毀釈と敗戦から少しずつ立ち直っていく奈良のその時代に、1人の工藝作家が作り続けた作品をご覧いただければ幸いです。

茶会：川﨑鳳嶽顕彰茶会
日時：2025年11月27日〜11月30日
茶席：10:30〜 12:00〜
席数：各席6名迄
内容：薄茶席・濃茶席・点心席（つる由）
席主：藤丸 正明
会費：38,000円　川﨑鳳嶽展(12月11日～14日　名勝大乗院庭園文化館)・顕彰冊子付(令和8年3月発送)

お問い合わせは　奈良町情報館0742-26-8610  info@naramachiinfo.jp　までお待ちしています。